お絵かき
・・・


たびちゃんの<お絵かき>集めました。


たびちゃんのお絵かき


リンクに、<たびちゃん、お絵かき>、追加しました。
一覧画面の上の、スライドショー、で、スライドショーになります。








[2008/04/28]tb(0)/ com(6)
ヨハネスブルグーー危機一髪
・・・
ヨハネスブルグのコピー




東側のブラックアフリカでは、ヨハネスブルグが一番危険というのが定説だ。


ケニヤ、ジンバブエあたりでは刃物が飛び出してくるが、ここでは銃がいきなり飛び出してくる。午後3時過ぎると町はゴーストタウンとなる。夜のツアーなんて、何処にもない。
年間何千人かの警官が殉職していると聞いていた。かのホテルリッツカールトンですら余りのやばさに、ここを逃げ出した。

空港、鉄道駅、市場、大きいホテルが、何処の国でも旅行者が集まる場所で一番やばいのも定説だ。田舎は、かえって安全だ。


。。



俺は、ケープタウンから、国内線で立派な建物の空港に到着し、ケニヤ行きの国際線に乗り換える時だった。乗り換えの表示を探していると、怪しい男がさっそく溶けるような笑顔で現れて、空港職員のような顔で、こっちだと案内をしようとはじめた。勿論、お断りした。この空港、乗り継ぎが、工事中でやけに通路がややこしい。団体にまぎれて国内線のチェックイン場所までは到着したが、その先が国際線にはあるらしく、その時には、周りに乗り換えの客が到着していなかった。


真っ黒な男は、近くの2台あるエレベーターで2階へ行くのだだと教えて、そして俺と一緒に乗り込もうとした。俺は、カートをいつでも外へ突き出してドアを閉められなくさせる準備をしながら、他の乗客が乗るのを待った。すると、真っ黒いのがもう一人、さっと、入ってきて反対側のボタンのところに立って閉じるボタンを押した。

危険指数5.



俺は、さっとカートを蹴って押し出した。ドアは途中で止待って、再び開いた。

これが危機一髪。

空港のような場所でも密室は出来上がる。護身用の三菱ユニのボールペンのキャップはポケットで外して一人には備えていたが、こうなってくるとエレベーターが閉まると一巻の終わりだ。身包みはがされて2階でドアが開けば、二人は、速攻、逃走するというわけだ。

。。

3秒後、大柄なプロレスラーのような白人が黒人たちを睨みながら入ってきて、場の匂いをかいで俺にウインクした。それをみて、あとから入ってきた男は、諦めて何処かへ去っていった。俺と白人は、黒人の動きをじっと見ていた。臨戦態勢というやつだ。男は、やる気がうせたのかエレベーターが開くと、今度は、俺に案内のチップをねだった。

俺は面白くなって1ドルを渡した。

ーー獲物狩りに失敗したな。


男は、鋭く俺をにらみ返して、そして、次には苦笑に変わって、手を振って次のカモを探しに降りていくのが見えた。




危険は、<紙一重>のところに横たわっている。

アフリカでは、密室は禁物だ。特に人の集まる場所では。


















[2008/04/27]tb(0)/ com(10)
写真
・・・

たびちゃん、写真、収め変えました。

http://f.hatena.ne.jp/tabiyura/

これをクリック


今後は、ここへ写真は順次載せてゆきます。
このブログの、<ゆらゆら写真集>のリンクもここへ移動しました。









[2008/04/26]tb(0)/ com(0)
二人の世界旅
・・・
世界一周




たびちゃん、<和人とあずさの世界旅>、の記録、インターネットで楽しみながら眺めています。
 

URL,二人の世界旅


ご夫婦で世界一周の旅に出かけて350日目に入ったようです。現在は、難関ルートを通過中で、旅も佳境に入っているようです。コンゴ、セキドウギニア、シエラレオネ、、、、、、

彼らの旅日記も、列車強盗に襲われたり、賄賂の強要、マラリア、、、、、佳境に入って来ています。
アフリカ西海岸コース、今、世界で最もスリリングな旅のコースで、旅行記羨ましく眺めています。ここ以外の場所は、たびちゃんも、まあ、大体は行ったことがあって想像がつくのですが、この辺りだけは未だ未踏で血が騒ぎます。

旅行記も、この辺り以外は、今流行のバラエテイー番組のように、面白おかしく、たわいも無い話を本にしているのが多いですが、その方がブログのヒット数も多いようですが、たびちゃん的には、

ーーへ〜〜〜、そうなの、で、どうしたの? 

になってしまいます。が、この辺りの情報は極めて少ないので、さまざまな情報が嬉しくなります。ブラックアフリカの東ルート(エチオピア、ケニヤ、南アのコース)は、かなり情報があふれていますが。
多分、この辺りは、現地で知り合った旅人同士で情報交換しながら次に向かう、のだろう、と、かっての自分の旅に重ねて嬉しくなります。

ただ、たびちゃん気が短いので、彼らのように忍耐強く、強盗ポリスと渡り合う自信が無くて、人間が丸くなってから、一度は行ってみたいと思っています。がんつけられると、ブラックアフリカでも喧嘩買ってしまいますから、この辺りなら、牢獄に繋がれそうな悪い予感がします。

自分が獲物になって、檻に入ってゆく、そういう、スリルが、きっと旅の醍醐味なのでしょう。
彼らのブラックアフリカ、無事通過を祈っています。




がんばれ、お二人さん!!!!!!













 
[2008/04/24]tb(0)/ com(12)
那須ーー戦争博物館
・・・
戦争博物館

hikouki 
 
 



たびちゃん、ちょいと那須で遊んできましたが、
自転車でサイクリングしていますと、、、、
戦車が、、、、、、
御用邸の傍、別荘地帯のど真ん中に、、、、

 
入り口に軍服をを着込んだ人形が、
そして、白馬が、
日章旗もはためいて、
おまけに戦闘機も見えていました。


違和感が、違和感が、、、、


でも、たびちゃん、勿論、入場料を払って、入場しました。
すると、外見は悪いが、中身が濃い。の、典型でした。
おまけに個人が執念でやっておられるようで、たびちゃん、感服。



この博物館、かなり、好きです。





 
 






 詳しくは、これをクリック
[2008/04/23]tb(0)/ com(6)
チワワーーメキシコ
・・・
壁画1のコピー

壁画2

壁画3

壁画4

(チワワで、政庁で写真を撮ったものですが、著作権が、この場合どうなるのかは、よく分からないので取り敢えず載せておきます。どなたが、異議あれば、お知らせ下さい。)



たびちゃん、結構、この人の絵が好きです。

なにか力を感じて、やや暗く、そして生々しい。下手なようで、上手いようで、下手なような。
軍隊で頭角を現して、ヨーロッパに軍事留学。絵を覚えて帰ってきて絵を描いて、軍隊で戦争やって、革命に目覚めて投獄されて、開放されて絵を描いて、何か生きるついでに、まあ絵を描いたような破天荒な生き方が面白いと思ってしまいます。




どんなに、うまい絵を書いても、絵を描くのが人生の全てだったとなると、さあ、どうなのかな、と思ってしまう癖があります。同じ時代の彼のライバルは、絵を書くのが仕事だったようです。
文章を書くことは上手だが書くべき事も無い人生と、文章は下手だけど書くべき事が山の様にある人生の、どちらが好きか、と、昔、真剣に人に問われた事があります。面白くない土から、そうそう、面白い花が咲く訳でもないようです。




壁画という技法、黒で輪郭を露にした技法、日本の絵巻のように画面に物語を埋め込んでゆく技法。爆発だ、と、叫んだ日本の画家も彼が好きだったようです。メキシコの黒い歴史に怒りという爆発を覚えながら画面にぶつけたようです。怒りが躍動しています。

メキシコ、チワワ政庁舎、彼の息吹きに触れれます。





彼の名前は、シケイロス。










 

(興味がある人は、シケイロスで検索してみて下さい。)
[2008/04/22]tb(0)/ com(6)
PARIS−−パリ幻影
・・・
白いビデがのコピー






     




白いビデが、ぽつんと在った。


コンクリート剥き出しの灰色の床の上に、無造作に。それとパイプ作りのダブルベッドが。あとは、シミと饐えた匂いのする壁が4面。剥き出しの電球のぶら下がる天井。其れで、すべてだった。つまらない部屋だった。床のあちこちには、えぐれた穴が禿げのように飛び散っていた。ベッドが足を取られてガタガタと軋んだ。俺は、新聞紙を幾重にも折りたたみ隙間を埋めていた。


この部屋では、いつも空気が澱んでいた。そして、暗かった。言い忘れたが窓すらなかった。傾いて腐り始めた、このホテルでも、窓が無いのはこの部屋だけだった。持ち主に忘れ去られ家賃は安かった。信じられないぐらいにだ。窓が無いのは悪くはなかった、その頃の俺には。






バタンとドアが閉まった。
そして、コツコツと乾いた音がして、やがてベッドの軋む音が流れ、止んだ。

ーーねえ、どうしてもだめなの、、、


道での話の続きが、ポツリポツリと続きそうだった。













     2


      

ぱり幻影



その夜、ラタンのキャフェを出たのが夜の11時だった。

流石にパリ蔡の夜だ。明かりが灯り、人が群れ、夜が終わっていなかった。空気銃を撃たせる屋台には灯りが閃いていた。クレペの店の前にも人だかりがしていた。その横を紛れながら歩いて行った。サンミッシェル教会の横を通るときも、ソルボンヌの横でも女は考え続けているようだった。

やがて、メトロのざわめきの前で、ポツリと言葉を投げ捨てた。

ーー砂漠、、ね、、狂えるかしら、、、



サンミッシェル







 
帰る道筋に入ってからは黙り続けた。


ブルバアには、まだ灯りもあったが、リュに入ると薄暗かった。路地に入り込むと流石に暗かった。路地に入ったところで女が腕を回し、自然と腕を組む形になった。パリ蔡の残り火が,彼方此方で燻り続けていた。くすんだ壁を背に抱き合う男と女の横をすり抜けながら漂っていた。

この街には匂いがある。肌に匂う匂いが。



  。


パリ幻影2




名前すら無い抜け道に入った時、女が壁に、もたれかかった。

酔ったように、頭を壁に押し付け、身体を反らせ、小指を絡めとった。引かれるままに抱きしめた。二人も、残り火の一つになっていた。柔らかいものが腕の中でつぶれた。 唇が離れたとき、呟きが闇に流れた。


ーーついてゆきたいの、、、ねえ、いいでしょ。
ーー駄目、やばいぜ。
ーー死んだって、いいの、いや、死んでしまいたい、だから、、、



突然、足元を野良猫が走って消えた。離れようとしたとき<止める力>が働いた。

ーーだめ、、このまま、、、明日になるまで、ね。


ジッポーのライターの油のにおいがした。小さな暖かい光の中に女の顔が浮かび上がった。ルウジュすら引かれていなかった。時計の中では、まだ5分残っていた、明日までには。

閉じたライターの音がカチンと響いて,闇が戻った。









今日になって、歩き始めた。
狭い路地の向こうに四角い灯りがある。トンネルを潜るように明かりの中へ出た。

ーーいまね、オトナになったの、ハタチ、に、、


もう一度トンネルを潜ったとき、傾いて、剥げ落ちたホテルの青いネオンが見えていた。













(1970年、書き込んだものに、少し加筆)



[2008/04/18]tb(0)/ com(6)
ワルザザードーーモロッコーー砂漠幻影
・・・
ワルザザード

 




俺は、すたすたと、<ワジ>の断崖絶壁に近づいていった。
大地が割れて、ちょいと、隙間が出来たような風景だ。

運転手が慌てて、アタンシオン、と、背後から大声を上げた。


砂と小石で出来た大地は脆くて崩れやすい。
最後は、慎重に足を進めて、谷底を覗き込んだ。高さ50mは優に在る断崖だ。
深く、そして、広く扁平な谷底を、アトラス山脈からの水が細々と流れていた。
涸れ河を、ワジというらしい。昔、俺は学んだ。




。。。。。。。




ずっと昔、その夜、星がドームを作っていて、そして、月は下弦だった。


女は断崖に腰掛けていた。
俺は気弱で、危うい崖の切れ目までは近づけなくて、1mほど糊代を残して突っ立ていた。
臆病という奴だ。


――あの、バカ、、、


突然、女は、ぼそっと闇に呟いて、そして、小さく泣きはじめた。
月明かりの中で体が小さく震えているのが解る。
<その女の男>はバイク事故で死んで、女の腹の中には、男の分身、が残っている。

<私の女>は消えて、そして、消失していた。




。。。。。。




強烈な日差しの残った荒涼とした荒野に、ささやかな緑が見え、その横に小さなカスバの赤い日干し煉瓦の城砦が見えている。その向こうは、ベルベル遊牧民の<砂の海>のはずだ。日差しに、土壁は、赤々と燃えている。

その先には、ただ一面、荒野が広がっているだけ。何もない。ベルベル族の海だ。
羊とラクダの生きる海。




。。。。。




月明かりの下、女は、立ち上がって、もぞもぞしながら、少し後ろに下り、屈み込みながら、ジーパンを引き摺り下ろした。月明かりの中に、白い尻が覗いた。青く白い。


――あんたも、しなよ。



俺は、勇気を奮い絞り、ぎりぎり、崖っぷちまで、にじり寄っていった。

女は勢い良く谷底に向かって放尿した。
俺は、やや、後方から、引き出して、同じように身体を反り返らせて、谷底に向かって行為をした。


月の光で、女の<それ>は粒状になって、キラキラと輝いて谷底に落下してゆく。
意識して、俺の放物線と、女の放物線が交わるように勢いをつけた。



。。。。。





其の時、交わったのか交わらなかったのかは、知らない。
知らないままに、俺は、やがて、朽ち果てて、大地に吸い取られてゆく。
きっと、間違いも無く。



運転手が、
ーーーそろそろ行きましょう、
と、声をかけてきた。

俺は、おいぼれベンツの扉を開ける時に、少し、よろめいた。




微熱が、今も続いている。









 
[2008/04/17]tb(0)/ com(7)
宿題
・・・
宿題のコピー




たびちゃん、今年に入って、予定外のバタバタで、宿題、山積みです。
ちょいと、落ち着いて来ましたが、ポストイットが、あっちにも、こっちにも。

3ヶ月ほど、出遅れ気味です。
一つ一つ、人生の宿題、そろそろ片付る、はじめの一歩を、始めます。

と、いいながら、i−tunesで、青山テルマ、買いまして聞いています。
ちょい、温泉でも行こうかと、お調べ。

 

たびちゃん、なまけもの。











[2008/04/17]tb(0)/ com(0)
カサブランカーーモロッコ
・・・
e0022914_19292772のコピー




女が笑いかけている。


カフェの外で窓側にずらっと並んだ椅子の一つから。

俺は戸惑っている。二人の目があって、色気に満ちた顔が微笑を投げかけている。やけに太った女だ。壁側の込み合った席を避けて、少し離れた路地の上のオープンエアー席に座り込んでギャルソンを呼ぼうと振り返った。で、目が合ってしまった。小さな後悔が、胃に来た。

   。


半分はシースルーの黒のドレスに豊満な乳房があらわに見えている。ちょいと見、100キロはありそうな女だ。ここは<カサブランカ>だ。イスラムの国だ。男達に混じって<女>が座り込んでいる事自体が、そのことすらが奇異だ。現に女は、その女しかいなかった。

この国では、それすら不敬にあたるだろう。


。。。。




俺には、たっぷりの時間があった。

午後2時にcasa voyage駅に向かい、空港行きの汽車に乗り込めば、午後5時30分のパリ行きの飛行機に十分間に合う。まだ午前の11時半だ。微熱に悩まされながらも、モロッコの旅を終えてパリに戻ろうとしている、それまでの時間つぶしのゲームには成りそうだった。


女は大げさなジェスチャーで、俺に向かって隣の席に来い、と催促している。積極的な意思だ。俺は5秒逡巡して、そして、小さな決心をした。ゆっくりと、バックサックを床から持ち上げ、女の隣席に向かった。そのとき、空間は、そこにしか存在してはいなかった。まったく窮屈な空間だ。隣に座っていた中年の男が、極めて大げさに迷惑そうな顔をあからさまにした。しぶしぶ、その椅子の上の荷物をかたずけた。その、作られた小さな小さな空間に、私は<可愛いひよこ>の様に滑り込んだ。


   。


肉の固まりのようなアラブ女は、やけに機嫌が良い。イスタンブールから2005年に戻ってきたなどと、聞いてもしない身の上話を始めながら、名前をsafaと名乗った。太った足首から黒の網タイツが覗いている。妖艶を通り越しこして滑稽に属している、と、俺は思った。周りの男達の視線が俺に対して、極端に冷ややかだ。 一人旅の気安さで取り留めて予定があるわけでもない。危うい私のフランス語が、多少の意志は吸い込んで吸収する。


   。



女は、しきりにこれからの私の予定はと聞き始めた。

2時まで暇ならば、私の家に来ないかと誘いかけてくる。断ればどこのホテルか、と聞く。で、目の前に見えるホテルだが、飛行場に、この朝食が終われば向かわねば成らないと逃げを打ちながら、アラブの商売女にひっかかった日本の馬鹿な男を演じ続ける。女は無遠慮に私のタバコを手にとって一本引き抜いて自分で火をつけた。その上にオレンジジュースまでオーダーした。ここまでなら良い。オレンジジュースにタバコなら安いものだ。もっと手の込んだのを、いつも俺は女にむしり取られている。

   。


女の無遠慮は尚も続く。

物乞いがやってきてタバコを一本強請って動かない。同意も得ないで、俺のタバコから一本引き抜いて、女はテーブルの上に投げ捨てた。そして、にこっと笑って、私の泊まっているホテルに外部のものは引き込めないのかと聞く。残念ながら100キロ近い女を相手に活躍できるような強靭な<なすび>はもう持ち合わせていない。写真なら撮ってみたい気もするが、それも後々面倒を運んできそうな気もする。その面倒を処理する時間が俺には無い。諦めた。ご招待代を間違っても聞かなかった。

   。


今度は、女と顔なじみなのか、男盛りの<色男>がやってきて、私の反対側の席に座った。この男も、この国では浮いている。パリのピガール辺りからワープしてやってきたようだ。男は靴磨きに、既にピカピカの靴を磨かせながら、二言三言、女と話を交わした。そして、俺の顔をじっと見つめ、自慢した。

ーーおいおい、俺は英語が出来るんだぜ。英語でしゃべりなよ。

取りあえず靴磨き代は幾らなのかと聞いてみた。2dh。26円だと返してきた。確かに、余りに上等な英語過ぎて、2度聞き返した。それにしても、男の足下に屈んで靴を磨き上げる代金は26円らしい。そのうえ、この靴磨きは俺の友人だ、と色男は自慢した。この男、と、疲れの出た靴磨き、が友人だとは、この国の友情とは? と考えて、止めた。

   。


1時間も二人に付き合って、そろそろ潮時だと俺は判断した。

カフェのギャルソンに勘定を頼んで、女に別れを告げた。女は大げさに寂しげな顔をして、やにわに紙に自分の電話番号を書き始めた。で、俺は驚いた。

ーー次回来るときは、必ず電話してね。

そう言われたのにはもっと驚いた。次回、来ることがあるとしても何時だろうか、20年後だとしたら、生きていたとして、俺の<なすび>は、まったく役には立つまい、と考えて苦笑した。

1時間を40dhで楽しんだという事だ。

600円のお遊びにしては面白すぎた。お値打ちだ。20万も払って、これほど面白く無いことが日本では多すぎる。


    。



立ち上がると、路地の一部に強烈な日差しが石畳に反射して、そして、空は抜けるように青い。
白い家、という意味のカサブランカには、俺の<白い家>は見つからなかった。かわりに薄汚れた建物だけが目立って存在している。





そんなものだ、人生とは。









[2008/04/14]tb(0)/ com(2)
トルファン
・・・
トルファン2のコピー







目的も決めないで、ふらっと<ウルムチ>に向かった。
シルクロードという奴だ。

俺の旅は、大体いつも同じで、入、と、出、の場所を決めて、そして、あとは成り行きというスタイルが多い。入りは上海経由で、帰りは北京経由の旅だった。

   。

<それ>は、ウルムチからトルファンまでの汽車の中で起こった。緑色の制服を着た若い男が、列車を巡回して来て、俺の斜め前の座席に座っていた4人組に目をつけた。一人のウイグル人の青年を有無を言わさず列車の連結部分に連れて行った。取調べ、という単語だ。意味もなく殴りつけているのが俺の席から見えていた。車窓にはステップが広がって、そして、黒い羊の群れが見えていた。少し、胃の中を苦味が走っていた。


。。。。。



俺は、政治には無関心だ。ただ、目の前に存在する<事象>にだけ対応する癖がある。
ある日、在る夜、19歳のときに、俺は数人で一升瓶片手に、ただ、飲みまくっていた。
青臭い話が尽きて、そして、深夜、ある男は泥酔して下宿に戻っていった。

――明日は、頑張るぞ、

そう俺に投げかけて。


。。。。。。



トルファンまでの汽車は、絶壁を縫いながら、夜の闇に溶け込みながら、時折、長い咆哮を背後に引きずりながら、汽車の旅の醍醐味を醸し出していた。殴られた若者も、今は<明確な意思>、を目に浮かべながら、座席の片隅にいた。蛇行するときに、車窓には蛇行した長い長い大蛇のような列車の歪みが見えている。何十両連結しているのか、これでは機関車も軋むのではないかと思えるほどの長さだ。途中すれ違った貨物車は、石油のタンクを100両は連結していたと思う。平原には、古めかしい油井の塔が無数に見えていた。この国のエネルギー源の生命線がここに埋まっている。


。。。。。



明るい空を窓の外に見ていると、電話が掛かった。
――Xさんですね? 
――ええ、そうですが。
――実は、Y君がなくなられて、死体の確認に東京まで行っていただけますか?
俺には意味が不明だった。昨日、深夜まで一緒に酒を飲んでいた。死体??
――デモで、機動隊に、、、、
佐藤訪米阻止、という奴だった。


。。。。。。



トルファン駅は閑散としていた。
降り立っても、プラットホームが闇に沈んで駅の雑踏は無かった。呼び込みに適当に釣られて宿に潜り込もうという目論見は見事に外れた。迂闊にも、当然ながら、町の中心に汽車が停車すると考えていた。駅員の話では、トルファンの町は、この駅から車で遥か1時間先にあるらしかった。駅の傍の小さな灯りの塊に流れて、足を確保することに専念した。

      。

行けども行けども漆黒の闇が広がっていた。車のヘッドライトだけが、か細い光を放っていたが、それ以外には光は何も存在しなかった。この国の風景だ。広大で、見渡す限り人の住まない場所など腐るほどある。俺は、闇を見つめ続けていた。闇の池に落ち込んで、沈み込んでゆく錯覚に、息が苦しかった。


。。。。。。


団交、という奴が続いていた。目の前の<事象>に対応して、初めて大教室に出向いた。

――われわれにも、法医学の権威がいる。司法解剖に立ち合わせるべきである。直ちに、東京のK大学まで派遣せよ。このままでは、機動隊に殴り殺された、のが、放水車に轢かれるた事、になる。

多くの学生には、彼らの同志の死因が大事だったらしい。だが、俺には、どちらでも同じだった。死んだ事実には変わりが無い。死んだものが、勢い込んで議論しても生き戻って来る訳でもない。医学部の教授は東京行きに同意していたが、結局、学長が同意しなかった。死体は、あっちこっちが欠落した状態で、やがて戻ってきて、死因、は歴史の闇に沈んだ。



。。。。。。


トルファンのホテルの、敷地の裏手に小さなネオンが地下に向かって点っていた。

如何にも秘密っぽい風情が気に入ってバーに潜った。殺伐とした病院の待合室のような部屋には、小さな場違いのミラーボールが回って、そして、緑の制服を着た男たち一組と、けばい中年の女数名だけがいた。閑散として、そして、冷たかった。
トイレに向かおうと、奥のドアを開くと、2畳ばかりの小さな小部屋が幾つかあって、コンクリート剥き出しの無機的な部屋に、ただ、一枚毛布が引いてあった。一瞬、ソドムとゴモラ、という単語が脳を掠めた。
俺は酒を飲む気になれなくて、ビール一杯で退散した。

   。

真夜中、怒声に目が覚めた。
ドアを開くと、緑の制服数名が、廊下の向こうで罵声を浴びせながら、男と女を連行する所だった。男は、パンツ一枚の姿で立っていた。一つの物語が、そこに在った、が、物語の筋は読めなかった。


。。。。。。



延々と読経が流れ、白いセーターを着た少女が泣いているのが、緑鮮やかな木立の向こうに見えていた。白いセーターが極度に違和感があって、そして、場にそぐわないのが、場に却って相応しかった。19歳での、あっけない死、は、その場に相応しいものなど用意する暇も与えなかった、という事に過ぎない。俺は、愛の存在、と、そして、やがては追憶に変化してゆくであろう、その、感情、を、その場では羨ましいと思った。その情景は、瞬間に凝固して、私の中では<永遠>に変化している。


。。。。。。


トルファンのコピー



トルファンで、ぼろぼろの軽四輪で遺跡を案内してくれるウイグルの19歳の少年に出会った。

流暢な日本語を話すのが、俺には驚きだった。学校にも行かずに自力で覚えたらしい。運転は兄貴がやり、そして、少年がガイドする、そして、この車が二人の全財産らしかった。心細い日本製の年代ものの中古の軽4輪バンは、青色吐息でタクラマカンに踏み込み、そして、火焔山をかすめ、断崖絶壁の僧院に奇跡的に辿り着いた。俺は、まったく、<こいつ>が気に入って、翌日ウルムチまで送ってもらう事にした。そう告げると、少年の目が輝いた。


。。。。。。


ジュラルミンの盾が整列して、そして、群衆がいた。ラテンの国は戦争には弱いが、よく心が燃える。ゆっくりと、火炎瓶が空を待って、そして、盾の前で炸裂した。赤い炎が立ち上がった。盾の向こうに、その時のネグラがあって行く手を塞がれていた。石畳の石がめくり上げられて、武器に変換していた。俺の目の前に、政治、というものが立ちふさがっていた。催涙弾が弾けて涙ぼろぼろの中で、俺の手は石を投げていた。盾は総崩れになって退却し、カルチェラタンまで空白が生まれた。車はひっくり返され、燃やされて、バリケードのパーツに成り下がっていた、が、そこから先には無関心だった。俺は宿に引き返し、そして、眠りに付いた。


。。。。。。


天山山脈を、ゆゆらゆらと越えて、平原に入った。巨大な<赤軍>の砦が見えてきた。巨大すぎて、あまりの巨大さに馬鹿馬鹿しくなるほどの雰囲気を、何も見るものも無い荒野の中に醸し出している。何時の時代も同じだ。アラブならカスバ、ここなら、赤軍だ。占領、という文字は、現実では、こういう事だ。やがては、交通路を開いて、移民を送り込み、人口構造を変化させてしまう。2000年は続いている同じ思考だ。力が持っている不愉快さだ。力は恐怖で成り立っている。


。。。。。。


フロントデスクに青年の部屋を、もう一つ取るように依頼した。ウルムチでは一番のホテルかもしれないが、世界的には、それ程のホテルでもない。日が暮れて、今から半日かけてトルファンに戻るには余りに遅すぎた。

――中国人以外の宿泊はお断りしています。

政治が、また俺の目の前に立ちはだかった。ここは、心を落として戦うと決めた。小1時間強烈に戦い続けて、そして、最後に、ホテルは妥協した。少年らは、歓喜して、そして、涙を流し、ウルムチに住む妹に電話までした。部屋を見に来ないかと。


。。。。。。



へその曲がった俺は、帰国するときに2000ドルほど少年に渡して、そして、ウイグルの小学校を必要とされている所で作れば、と助言して帰国した。

暫くたって、見知らぬ日本の大学の研究者から電話があった。少年に案内役を依頼し、知り合ったらしい。そして、少年が日本語は喋れるが書けないので、代筆した手紙を、あなたに郵送したいので住所を教えて欲しい、という内容だった。

――中国人の学校でないと駄目だ、といわれました。お金は、ちゃんと銀行に預金しておきました。

そう返事が書いていた。
   
   。

香港にいるときに、中国語の出来る女性に依頼して少年に電話をした。家に電話など在る訳もないから、知り合ったホテルの前の喫茶店に電話をして、数日後の何時何分に電話の前に、彼に居てくれるように、と、依頼してだ。

――その資金で小さな会社を作ってカザフスタンあたりとの貿易でもやれば。

そう返した。

数ヶ月たって、電話があった。

――社長が中国人でないと認めないと言われました。


。。。。。



俺は、未だに、ウルムチでの宿題を抱かえながら、怠惰な日々を過ごしている。
オリンピックの聖火は、今も、無様にも、世界を駆け巡っている。
俺は、政治には無関心だ。意見は言わない。
ただ、目の前の<事象>にだけは、行動、で対応するようにしている。










[2008/04/13]tb(0)/ com(6)
カオサンーーバンコク
・・・
カオサンのコピー


たびちゃん、バンコクではカオサンが好きでよく遊ぶ。カトマンズのタメルとよく似た感覚で、怪しく,眩い。

たびちゃんの定宿は、地名は定かではないが、何やら怪しげな大きな寺を囲んだ細い道に沿ってぐるっと回った一角で、baan sabai、には、そこそこ泊まるし、その近辺の安宿にも適当に部屋を見てから入り込む。大体が前面にオープンエアーのカフェ兼レストランがあって、その奥が受付というわけだ。ちょいと路地奥にはタイボクシングのジムがあって、扉は全開放で、その練習風景の迫力は満点で好きだ。この路地何故か建物に阻まれて、大通りに直接通じていないから、ぐっと静寂がキープできている。

部屋の種類は様々で、共同便所に共同シャワーとなると、ぐっと安くなって、確か100か150バーツあたりからあった記憶があるし、シャワー、トイレ、クーラーつきとなると二人で300−500バーツあたりだった記憶がある。(1バーツ ころころかわるが、まあ、2.5円前後)

カオサン通りにも安宿は多いが、夜が賑やかで眠れたものでもない。
寺を囲む路地に入って、すぐ安宿が広がるが、このあたりも有名だが(サワスデイーなど)かなり賑やかだ。夜中の2時でも音楽が響き渡るところも多い。酒を飲んだり、お茶するとなると好きだが、泊まるとなると眠りようが無い。一度泊まったが、絶望的な騒音だった。

かおさん

(サワスデイーの店内から外を見る。)
かおさん

(サワスデイー店内)
その点、奥の方は静かな静寂があって、落ちついていて、清潔感というのが満ちている。もっとも、このあたりの水準ではだが。朝には、寺の中の鶏の鳴き声だけが邪魔だが、まあ、風情もあってそれ程不快でもない。

この辺りでは、洗濯物もキロ幾らでやってくれる。キロあたり、というのが、かなりたびちゃん好みだ。おまけに下手な5星より素早い。朝出せば夕方には出来上がっている。テクは普通で、高級品は出すと受け取って泣くかもしれない。

インターネットカフェ、格安旅行社、マッサージ、disco、洗濯、何でも買います売ります、入墨屋、と、とにかく、旅人には至れり尽くせりの場所で、はまり込むと他では我慢が出来なくなるかもしれない。

宿は原則予約は受け付けていないから、夕方までに入り込んで適当に歩きながら見つけるのが、このあたりのシキタリという奴で、心配しなくても狂ったような数の安宿があるから、適当に彷徨って部屋が無いという事はない。気に入った宿が、その日満室なら、一泊だけどこかに泊まって、翌日昼ごろに気に入った宿に変わればいいだけの事。


なお。交差点を反対側に屋台の並列する路地を彷徨うと、日本料理屋のサクラとバックパッカー宿のサクラがある。ここは日本人バックパッカーの巣窟のようになっていて、建物の横、狭い路地から建物に入って4階辺りだった気がするが、2階3階は廃墟で階段までゴミで埋まって、今はエレベーターでしか上がれない。このエレベーターが微妙で、いつ突然止まっても可笑しくないし、ベルを鳴らしても当分は誰も助けに来そうにない風情がばっちしで、ゴミの好きな、廃墟の好きな、写真家には最適で、客層は20代で若い。たびちゃんは、流石に料理は食べるが、泊まったことは無い。

カオサン情報は、カオサン通りに看板の出ている、日本料理屋の竹亭の主人が、豊富で、ここで必要な情報は仕入れると面白いかもしれない。




 
----------------------
DATA

baan sabai tel 2629-1595
竹亭   www.taketei.com




[2008/04/09]tb(0)/ com(8)
アマゾンーーイキトスーー空散歩−−記憶ノート
・・・
amazonのコピー

(地平線まで、ただ、森の海が続いている。)


その日、イキトスに居た。

俺は観光船に乗り込んで大人しく仕組まれたアマゾン散歩を楽しむ気にはなれなかった。
へそ曲がりという奴だ。何時から曲がったかはしらないが、いつか曲がったのだろう。
曲がっていないとは言わない。


。。。


適当に、大通りに、いくらでも並んでいる旅行会社の一つに飛び込んだ。カウンターは空白で物憂げだったが、衝立の向こうのベンチには大きな男が寝そべっていた。が、物音に立ち上がり、目をこすりながら、いかにも迷惑そうに唇を、ぱくつかせた。

ーーなんの用よ、あんた。昼寝時間だよ。
ーーこのあたりで、ヘリかなんか飛ばしてる所、無いですかね。
ーーヘリはないね、ああ、でも、セスナならあるよ。一人だけ河べりで水上機飛ばしている変なのがいる。

ごそごそと、安っぽいメモ紙にアドレスと電話を書き込んで俺に放り投げた。サービスという物の概念が違う、向こうとこっちでは。

ーーアマゾンツアーって、やってるんですかね、ここも。

男の目が輝いた。自分の仕事領域だ。適当に話を聞いて、名刺をもらって退散した。酔狂にやるなら此処でと決めて。帰り際にパンフレットをくれた。此処は、イキトス、一応はアマゾンの観光都市だ。


。。。。


鉄の骨組みの2階建ての建物の2階にある古ぼけたバーで、道際に座り込んでビール一杯をひっかけて、この世の中を憂い、そして、勘定を済ませて、通りに出た。 

6畳一間程度の狭い事務所には,小太りの叔母様が座っておられて、そして、煩かった。酔狂な飛行気乗りは今は居なくて、2時間後に来いと喚きたてる。またまた、サービスの質が変化していて、劣悪になる一方だった。

。。。。


見上げるような大男が、人懐っこい顔で俺を迎えた。190cmはあろうかという大男で、バスケの選手と見まがうばかりだった。

ーーで、どこ飛ぶの?
ーーアマゾンを上から見て、写真撮るだけなんだけど。
ーーなら、いいが変な荷物はないよね。
ーー変な荷物?
ーー隣がコロンビアでさ、時々、変なのがね、、、で、、このまえ、間違えられて国境で
   ロケット砲食らって、一機おしゃかになってさ、、

なるほど、流石に南アメリカだ、日本じゃ聞かないせりふも混ざっている。俺は、500ドルで飛べるところまで、気に入ったらもっと飛ばしてもらう。その場合は、10分幾ら、と決めて決行日を明日と決めた。


。。。


セスナなら運転したことがある。

3時間ほど教習所で飛んだ。それ程難しい乗り物でもない。
要するに空を飛ぶ自動車だ。運転席も同じようなもので、計器があってハンドルがある。ちょいと違うのは行く方向が立体だということで、地面の上だけの平面ではない。で、ハンドルを押し込むと下降して、手前に引くと上昇する、という要素が加わっている。右へ行くのか左へ行くのかは、足元のペダルの右か左を踏むか、物によったら、ハンドルを回す奴もあるかもしれない。

アクセルは計器版から丸いスロットルが飛び出ていて、手でレバーを引いたり押したりで、引けば速度が上がって、押せば速度が落ちる。着陸が95%のお仕事で、離陸は4%、空をとんでいるのは1%程度で、飛んでいるだけなら1時間も飛んでいれば、誰でも慣れて飛ばせるようになる。


。。。。


いきトス4のコピー


いきとす10のコピー


次の日、河の向こうに掘っ立て小屋が建っていた。此れでも、立派な飛行機会社だ、この辺りでは、という、風情があった。もうちょい、せめて看板ぐらいは立派に書いておいて欲しかったが,俺は謙虚で文句は言わない主義だ。黙って、間違っても苦情は言わないで、ボートで向かった。

想像以上の素敵な水上セスナがスタンバイオーケーで待っていた。勿論、大男も。建物の横には、かってはセスナと呼ばれた物の残骸も泣いていた。昨日の話しは、どうやら嘘ではないらしい。アマゾンらしく、足はタイヤではなくスキー状の浮きを履いていた。滑走路など無いジャングルでは、河こそが滑走路で、アマゾンには河など嫌と言うほどある、で、ここじゃ、便利な乗り物には違いが無い。

いきとすのコピー

セスナのコピー


操縦士、兼、オーナー、兼、整備士、兼、営業と並んで立つと、まったく嫌な事に、子供と大人だった。一応は記念写真を撮ったが、俺は必要以上に肩意地を張っていたようだ。張ったところで、身長は伸びない、が、気持ちは伸びていた。はずだ、、、、


。。。。


飛行機は飛び立った。

そして、ただ河と森だけが視界に広がった。それだけだった。あっけない風景だ。飛行機の散歩は平面的な風景の場合は、この<此れ>だけだった、でしかない。砂漠の上空を飛べば、単純に、砂漠だけが広がっている。水の国の上を飛べば、ただ、水没した大地が開けている。

平凡で明快で飽きの来る風景。一つ、大きさだけは実感できる。このリアル体験は写真では味わえない。視界すべてを360度多い尽くす、空と、森と、河。此処が好きだ。それだけの為に此処まで足を運んでいる。その意味では、アマゾンは圧倒するだけの十分な巨大さを備えていた。

名称未設定 12のコピー

ジャングルロッジ.

(上空から見た、ジャングルロッジ。森の中にはり巡らされた廊下が見えている。)
amazon蛇行

(河は蛇行に蛇行を繰り返している。)



ともかく、適当に、シャッターを押し続けたが、その日、光は悪かった。ガラス窓は汚れていて、そして、空は曇天だ。光が少ないと、シャッタースピードが落ちる。高速飛行機からはピントが心配だった。1/125秒以上のスピードは望めないかも。といって、俺は落胆はしていなかった。素直に単純な緑のジャングルと、濁った河を楽しんでいた。上空から見ればアマゾンもただの緑にしか過ぎない。陸を歩き始めると緑のカーテンが視界を遮って、四苦八苦の行軍になるだろうが。

ーーみなよ、河の色が違うだろう。白い河と、茶色の河が合流していくのさ。アマゾンの本流にね。

よく見れば、確かに色は違っていた。

ーーおい、どっちへ飛べばいいんだよ。こっちは、どっちでもいいけど。
ーー何処でも良いから、適当にとんでくれりゃ、それでいいさ。あと、きっちり500ドル分で終わることにするからよろしく。
ーーアイアイ、サ〜〜。

操縦士はふざけて、そして、お前、馬鹿じゃ無いの、という目で俺を見た。少しは、この、単純で単調なフライトに、余興を見つけようとはしてくれた。サービス精神が旺盛なのは、受付の叔母様とは違った。

ーーあそこに見えているのが、ジャングルロッジだ。糸のような木の上に張り巡らした廊下が見えるだろう、そっち、左手だ。

かすかに糸が見えて、少しは人の手が緑の中に入っている。

。。。


飛行機乗りは、何処でも、陽気だ。サービス精神に溢れている。チュニジアで乗ったヘリは、欠伸の出る砂漠フライトに、2回転宙返りとか、スターウオーズ顔負けの谷間遊覧だとか加えてくれて、おかげで俺は吐く寸前まで胃の酸が増加した。

ーーちょいと、河の上を飛んでみるか

ジャングルを縫ってゆく河の上を、セスナは低空飛行をした。だからといって、度肝を抜かれるほどには素人でもない。俺も、宇宙戦争を楽しんだ。


。。。。


ちょいとした、アマゾン空中浮遊も終わって、俺は、昨日の旅行社に出向いた。
今度は、地上をちょいとジャングルに入ってみたくなって。マクロとミクロという奴だ。


飛行機野郎を教えてくれた、あの男が、喜んだのは言うまでも無い。




ーーーーーーーーーーーー

DATA

適当に旅行社に飛び込んで飛行機会社を聞けば教えてくれるはず。
こういうところでは、料金は交渉次第になる。10分ぐらいの単位で幾らなのか、交渉して乗ってみると面白い。勿論、行き先があれば近くまで乗せてくれる。








[2008/04/07]tb(0)/ com(4)
イキトスーーペルーーー水上都市
・・・
名称未設定 20のコピー




アマゾンの上流、ペルーに属する場所に、水上都市があります。
名前は、イキトス。




い期トス洗濯物


名称未設定 18のコピー


名称未設定 12のコピー


名称未設定 14



名称未設定 17のコピー



(data--nikonF90,kodak ebxリバーサルで撮りましたが、取り敢えずの簡易スキャンで酷くてすいません。ちゃんとスキャンする機会があれば、差し替えておきます。)



今の私たちは、街道を行く、といように、道と言えば陸上道路を思い浮かべますが、昔は、陸上道は獣道しかなく、川が幹線道路の役割を果たしている時期のほうが歴史上遥かに長いようで、水の道を行く、というほうがしっくりきます。熱帯雨林のアマゾンも同じように川を船で遡るのが最大の交通路で、川のほとりの便利な場所に都市が発生してきました。

日本でも、聖徳太子の時代には、河内湖、が大阪のど真ん中にあって、生駒の山のふもと辺りまでは水上で、岬だった今の大阪四天王寺辺りから船で湖に入って、大和川を遡ると飛鳥に辿り着くルートで、水上交通の便利さから、奈良に都が出来ていたようで、どこも昔は同じようです。

(たびちゃん、<水の道>も、あちこちで行きました。カテゴリーに、<たびちゃん、水の道を行く>、作って時間があれば書き込んで行く事にしました。)


。。。


さて、アマゾン流域の都市としては、ブラジル側のマナウスが有名ですが、アマゾン川の源流は、そもそもアンデス山脈で、上流流域はペルーに属しています。このイキトスは、西洋人が19世紀終わりごろ南アメリカに進出してゴムの出荷地として突然開けて行きましたが、今も、昔ながらの水上都市が残っていて、不思議な風景を見せてくれます。

川べりに建つ水浸しの集落群と、完全に水の上に杭を多数打ち込んで浮かび上がった集落群が、お互いに小船で往来しながら生活しています。それを取り囲むように、現代の小さな都市が開けていますが、ともかくも、かなりの規模で古来からの生活も共存して共生しているのは、今となっては、かなり珍しく、たびちゃん、ペルーでは、ここが一番好きな場所になっています。

最近は少し近代文明が色濃くて、小船も船外機を付けたのも多く、水上に船で出来たガソリンスタンドも浮かんでいますが、この小船で出来たガソリンスタンドは、とても新鮮でしたし、今も、かなり大きな木造のバナナボートがやってきて、巨大なバナナの房が、道一面に並ぶ様は圧巻です。川べりには、かなり規模の大きな市場が広がっていて、すぐに市場へと運ばれ行き、このあたりの人のエネルギーを賄っているようです。ただ、食べ捨てられた皮が町に異臭を放って、川べりの水は現代人には匂いをかぐだけで伝染病にかかりそうな有様ですが、平気でその川で子供たちは泳いで遊んでいますから、驚きます。

水面から電柱が出ていたり、木がでていたりしますが、これは、水の国の日常的風景で、川の水位が季節によって変動するので、水かさが増した時期には水面から、水位が下がったときには、陸の上に見えるわけで、高床式の住居は水位の幅だけ足が長い、ということになります。バングラデッシュも海抜0m国家で、雨季には水の上に人が暮らしていて、どこが海で何処が道か不明な状態に陥ります。この辺りはかなり水位が変化するのは、写真で見ても高床の足が長いのでも想像できます。

 
名称未設定 19のコピー


名称未設定 21のコピー

(小さな木造ボートが家と家を繋ぐ交通手段になっている。流石に、うまく操っていく。)


ここから、川を少し、1時間も入れば、まさにアマゾンの生活が広がっていて、映画で見る、あのジャングル生活を垣間見れます。もっとも、どこでもそうですが、町の近くは観光汚染されて、原住民も俗化して、写真を撮ると、お金をねだるありさまですから、もっと自然のアマゾンを見たい、もっと深くまでということなら、土地のツアー会社が4日から1週間程度の密林ツアーを主催していて、人気のようです。勿論、依頼すれば、ガイドつきで一月でも可能ですが、ジャングルというのは、何処でも同じですが、行けども行けども同じような風景ですから、そこまで奥地に入ってみる値打ちがあるかどうかは、少し疑問です。

マナウスにあるのが有名ですが、ここにもジャングルの木の上に部屋を一杯作り、部屋と部屋は木の上に作った廊下でつなぐ、というスタイルのジャングルホテルもあるようですから、面白いかもしれません。そもそも水上都市そのものが、疫病や獣の襲撃を防ぐという目的ですから、当然色々好まざる動物が生息しているわけで、木の上に寝るというのは合理的です。


イキトスは陸上交通では行けない世界最大の都市(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%82%AD%E3%83%88%E3%82%B9)で、飛行機か船でしか辿り着くことはできません。ですから、アマゾンを使った船の交通の重要度が大きいのと、かってゴムの集散地として、ぽつんと、それこそ1890年ごろ突然開けた都市で、ペルーの文化圏というよりは、アマゾン流域の経済圏文化圏に属しているように思えます。そのためにペルーにありながら、アマゾンの生活様式が見られて、面白い旅になるかもしれません。

この町も、やがてはゴムの産地はマレーシアに移行して、やがては、1920年頃には衰退してゆくのですが、それでも、ゴムで財を成した人物が、パリ万博でエッフェルタワーを見て、鉄の家を発注して分解し、船でここまで運び組み立てたという家も残っていて、当時の栄華を少しは偲ぶことが出来ます。ただ、経済的に考えて、ヨーロッパから見て、コスト的にマレーシアのほうが安くなったのか、あるいは品質の問題でそうなったのか、競争力を失っていった理由については、かなり興味がありますが、今のところは謎で私には残ったままです。


名称未設定 171のコピー

(近郊からのバナナボート。距離のあるところからは、かなり大型の木造船がバナナを満載してやってくる。大型船のバナナの房は1m程度の高さがある。)

名称未設定 151のコピー

(スラム化した川べりの地区。道は水浸しになり、ごみが散らかって、かなり強烈な異臭を放っている。)

名称未設定 23のコピー


名称未設定 16のコピー

(水辺では、子供が遊んでいるが、水はかなり汚染されている。)

名称未設定 22のコピー

(川べりの高床式の住居。カメラが傾いているというよりは、家が傾いている。)


ーーーー

<旅データ>

(about)
人口40万人程度の町。水上都市はマレン地区にあります。多少、スラム化しています。

多少、ややこしげな、こういう場所は、世界中どこでも、地元の人間に案内してもらうと、うまく行きます。団体で、どかどかと入り込むと敵対されますから、静かに、そっと、さりげなく、通過するのが一番です。観光船など無いですから、小船を交渉でお願いして流れれば、結構、家の中まで案内されたり、フレンドリーに通過できます。

撮影は日が沈むまでに完了するのが無難で、日が落ちると蚊の襲撃にあいます。あまり、お勧めしません。どうしてもなら、防虫スプレー、腐るほど全身塗りこめてが必須です。

ーーー

(交通)
一般的な行き方は、リマから飛行機で行くのが一般的です。1時間半ぐらいで到着します。
ジャングルに阻まれて、陸の孤島ですから、当然、バス等の陸路はありません。
ペルー飛行機国内線は、遅れることも多いですから、余裕を見て計画を立てたほうが無難です。

マナスル側から(ブラジル側から)アマゾンを遡って行かれるのも、おもしろい船旅が楽しめて良いらしいですが、未経験です。時期によっては運行していない時もあるようですから、予めチェックしておく必要があります。

ーー

(宿泊)
タウン側には、まずまずの近代式ホテルも、わずかですがありますし、中華料理店も、味はともかくも町にはありますので、バックパッカー以外の方でも、それほど酷い旅にはなりません。最近は、少し日本からのツアーもあるようですが、マチュピチュ帰りに、ちょいと一泊、ジャングル少し、というのが多いようですが、こういう所は一人でのんびりが良いかもしれません。

ーー

(マラリア)
あと、イキトス空港に降り立ったとたんに、マラリア蚊のうなり声に皆驚きますが、南米のマラリアの致死率は、西アフリカのマラリアに比較して、かなり低く、良性のマラリア?、ですから、寝るときには部屋に蚊がいないか確認して、蚊取り線香あたりを付けて寝ておけば、まあ、それほどでもないようです。この蚊は日が沈んでから、動きますから、日が沈んでからは大人しくしているのが無難かもしれません。

この病気は、感染後24時間が勝負ですから、直ちに病院に行かれることが大事です。
病院は、そこそこありますが、内部に深く入る場合はキニーネの予防薬、日本でも処方可能ですから持参されると心配は少ないかもしれません。ただし、日本には無い病気ですから、風土病の類は現地の医者の方が詳しいですから、現地のしっかりした病院に直行されるのが無難です。

ーー

(治安)
治安は、以前W大学の川下りのチームが、ここで、軍人数名に、二人殺害されて金品を取られて一気に有名になってしまいましたが、一般的には、一人旅的には、中級程度で、アフリカに比較するとそれ程でもないと思います。今の所、ちょいと、注意して流れれば、問題のない場所だと思います。

カメラを見せないこと、金品を見せないこと、あたりが大切で、給与が日本の100分の一の国は多数ありますから20万円のカメラは現地では2000万円の価値があるわけで、失業率の高い国(ペルーは嘘か誠か80%の失業率といわれます)では、危険になります。アフリカあたりではカメラマンが交差点で羽交い絞めにされてカメラを取られるというのは良くあることです。事件も不用意に高級機材を見せていた、所持金も見せていた、と、聞いています。


ーー

(博物館)
この町の成り立ちに関しては市内に立派な博物館がありますから、行かれると面白いと思います。そこそこ、内容のある、愉快な博物館だと思います。





 








[2008/04/02]tb(0)/ com(4)
人のゆらゆら
・・・
無題のコピー




たびちゃん、アンバランスなもの、が、好きです。


道化の仮面を被った<ビートタケシ>と、凄みを利かせた<北野武>の距離が愉快です。
横幅を広げると、初めて<深さ>が出るようです。
幅のないものは平板で奥行きが足りなくなります。

奥行きがないと、口当たりはいいでしょうが、すぐに飽きが来てしまいますから、
芸能界で長くは生きれないような気もします。観客としては、理想ですが。

ただ、まあ、同じ人格の中で、ひとつに纏め上げるのは、大変だろうな、と、思います。
善と悪、娼婦と賢母、清潔と不潔、相反する価値のバランスは理想ですが、
微妙なバランス、が、ゆらゆら揺れますから、谷底に落ちない綱渡りは難しいようです。


<たびちゃん>という名の被り物を被った、<私>、は、何処へ辿り着くのだろうか、
と、ふと、思います。

少し、暑苦しくはなってきているようです。










 
 
[2008/04/02]tb(0)/ com(2)
木のゆらゆらーー京都
・・・
大きな木が、強風に揺れる様を眺めていました。

幹や枝や葉は、ものすごく揺れるのですが、天辺は、殆どゆれていません。
胴体を、ゆらゆらゆらせながら頭は同じ位置にじっとしています。
あまりの面白さに、2時間も階段に座って、その踊りを眺めていました。


木のゆらゆら、なかなかのものです。









[2008/04/01]tb(0)/ com(2)

Excite自動翻訳

DigitalClock

カテゴリー

プロフィール

たびちゃん

Author:たびちゃん
年に半年は旅に出ている単なる旅人です。
写真とお絵かきで日々を綴ります。
単なる、投げ捨て日記です、あしからず。

最近の記事

最近のコメント

月別アーカイブ

リンク

pictlayer

株価チャート

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

FC2カウンター

肥満度チェッカー


powered by ブログパーツの森


| ホーム | Template production /gallery-w
  1. 無料アクセス解析